ご挨拶

平成23年10月5日
任意団体 全国宝石学協会
理事長 伊藤 彰

宝石業界の皆様には、3月11日の東日本大震災以降、一般消費が停滞するなかご健闘されておられることとお慶び申し上げます。 平素は業界の為、ひとかたならぬ御尽力を賜り、ありがとうございます。 この度は、株式会社全国宝石学協会自己破産の混乱の中、皆様へのご報告が遅れましたこと、深くお詫び申し上げます。

任意団体全国宝石学協会は、46年前に宝石業界の諸先輩方による資金・人材の支援の下で創立され、日本における最初の鑑別書発行ならびに宝石学教育を行い、業界の発展と共に成長してまいりました。

25年前に鑑別・グレーディング業務、宝石学教育、機材・書籍販売の収益事業を株式会社全国宝石学協会として任意団体から分離独立させ、任意団体は『ジェモロジィ誌』の発行と宝石学資格(CGJ・GJ)の授与を行ってまいりました。

任意団体は会員の皆様の年会費及び入会金を含む基本財産によって、株式会社は鑑別・グレーディング業務、宝石学教育、機材・書籍販売の収益事業により、それぞれ運営が行われてまいりました。

ところが、平成19年中頃から株式会社全国宝石学協会が行ってまいりましたダイヤモンドグレーディング業務について、その判定に瑕疵があるのではないかとの疑惑が業界のみならず世論にて論ぜられる事態となり、昨年10月末の業務停止、自己破産と至りました。 このことは、任意団体の会員の皆様のみならず、株式会社のお客様、宝石業界の皆様、一般小売業界の皆様、そして消費者の皆様に多大なご迷惑をお掛けすることとなりました。

しかしながら、株式会社全国宝石学協会は色石鑑別の分野における業界のパイオニアとして、長年の経験と高い鑑別技術による精度の高い真偽の判定結果と、世界のトップレベルにある鑑別機関との交流・情報交換を通じて得られる最新情報を提供し、日本では絶対の信頼と尊重をいただいておりました。 このような鑑別機関を喪失してしまったことは、本邦宝石産業界にとりまして大変大きな損失だったと、今まさに思い知らされているところでございます。

このようななか、6月29日に開催されました第43期通常代議員会は、任意団体の解散と残余財産の一般社団法人への寄付を議題として招集されましたが、株式会社の過半数を超える株式を保有していたにもかかわらず、その経営に対する監督責任を果たすことが出来なかった前執行部と役員の退任が決議され、新役員を選出いたしました。 そして、7月20日に開催されました第44期第2回役員会にて新理事長・副理事長・監事が選任され、任意団体が今後どのように業界の発展に資する事が出来るのか、現在まで月2回の役員会をもって協議を重ねてきております

従来、行ってまいりました『ジェモロジィ誌』の発行と宝石学資格(CGJ・GJ)の授与については、その業務を自己破産した株式会社に負うところが多く任意団体にて継承してゆくことは大変難しい状況です。

しかしながら、『宝石学の教育・研究』と『他の国々から発信される最新情報をキャッチし、絶えず彼らの知識・技術をアップデートしてゆく適切な調査研究部門を持つようなプロフェッショナルな研究鑑別機関が日本にも必要である』との業界の声が多く寄せられている現状を考慮しながら、任意団体が果たせる役割を検討・協議し、本年中には方向性を確定する予定であり、業界の皆様には今後とも適宜ご報告させていただく所存でございます。

大変遅くなりましたが、これまでの経緯をご報告申し上げますとともに、従前と変わらぬご支援を任意団体に賜りますようお願い申し上げます。

任意団体 全国宝石学協会

〒110-0015 東京都台東区東上野1-26-2 東京美宝会館2階

理事長
伊藤 彰
副理事長
ニーラム アラウディーン   古屋 秀市
理事
伊東 直樹  久保田 恵造  酒巻 英樹  鈴木 一彰  関根 和之  
高田 富士夫  佃 裕二   望月 英樹  山本 裕唯  渡辺 幸春
監事
加藤 久雄  諏訪 恭一  村上 俊二
 
 
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