第9回JGS宝石シンポジウム
第9回JGS宝石シンポジウムでは、『知っているようで知らない真珠の処理』をテーマに取り上げました。
「真珠」は、これまでのJGS宝石シンポジウム・勉強会で参加者の皆さんに記入して頂いたアンケートで、「今後取り上げて欲しいテーマ」として最も多く挙げられたテーマの一つです。このたび真珠科学研究所所長、小松博博士のご協力をいただき、ようやく実現致しました。
第9回JGS宝石シンポジウム ご報告
※写真はすべて、クリックしていただくと別ウィンドウで拡大表示されます。
会場:
JJA会館3F 大会議室 〒110-8626 東京都台東区東上野2-23-25
Tel: 03-3835-8567 Fax: 03-3839-6599
Tel: 03-3835-8567 Fax: 03-3839-6599
日程:
2015年07月15日(水) 12時30分開場 13時開始
開会の挨拶:
13:00〜
13:00〜
総合司会は加藤久雄理事が、開会の挨拶・進行は古屋秀市理事が担当しました。
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本日は、第9回日本宝石協会「宝石シンポジウム」にご参加いただきまして、ありがとうございます。
真珠に関しては、「花珠」という名称使用の問題や、表面コーティング処理の問題等、色々と話題に事欠きませんが、今回は「一般的に真珠に施されている処理」について掘り下げます。アコヤ貝から取り出された「黒みがかった真珠」が、どうした訳だか「白く輝く真珠の粒」になるという事を、多くの一般消費者は知りません。我々宝飾品流通に携わる者も、「シミ抜き」「調色」といった用語は知っていても、本当のところを良くわかっているとは言えません。何故なら、一般的に「加工」と称される真珠の処理過程は、企業秘密であったり、各業者の秘伝であるからです。また、消費者に対する過剰な配慮が、「加工」という事実にベールを掛けてきた為でもあります。当協会は「真珠科学研究所」の助けをお借りして、「加工」という処理過程について正しい知識を得るために今回のテーマを選択した次第です。
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本日は、第9回日本宝石協会「宝石シンポジウム」にご参加いただきまして、ありがとうございます。
真珠に関しては、「花珠」という名称使用の問題や、表面コーティング処理の問題等、色々と話題に事欠きませんが、今回は「一般的に真珠に施されている処理」について掘り下げます。アコヤ貝から取り出された「黒みがかった真珠」が、どうした訳だか「白く輝く真珠の粒」になるという事を、多くの一般消費者は知りません。我々宝飾品流通に携わる者も、「シミ抜き」「調色」といった用語は知っていても、本当のところを良くわかっているとは言えません。何故なら、一般的に「加工」と称される真珠の処理過程は、企業秘密であったり、各業者の秘伝であるからです。また、消費者に対する過剰な配慮が、「加工」という事実にベールを掛けてきた為でもあります。当協会は「真珠科学研究所」の助けをお借りして、「加工」という処理過程について正しい知識を得るために今回のテーマを選択した次第です。
科学的解説:
:
観察:
質疑応答:
参加者の声
アンケートの中から、「一番印象に残った点」を記載させていただきます。
- 真珠の漂白においての蛍光灯の可視光線がシミを分解するという説明。また、戦後、アメリカ人の要望でローズ色のピンクパールが大量生産されるようになったというお話。
- 真珠の加工工程がよくわかった。
- 加工の工程ごとに現物を見ることができたことがなにより勉強になった。小松先生のお話もわかりやすかった。サンプル回覧中に真珠研の方々にサポート説明をしていただけたこともよかった。
- 黄色くなった真珠をクリーニング(色もどし)することができること。また、加工で一番重要なのが漂白ということ。
- 調色=染色・処理の議論。無処理が業界にとっても良いと思う。
- 浜上げ珠からの加工工程を実際の真珠サンプルを拝見することで理解できた。詳しい真珠の加工技術のお話を拝聴できた。
- 加工処理をしている以上、調をしていなくてもその品質に考慮しなければならないことを再確認した。
- 参加者のみなさんが熱心に意見交換していらっしゃっていたこと。
- 調色は良くない、今後は無調色へ。サンプル品が見られて良かった。
- 前処理と漂白の大事さ 。お客様に対して十分な説明ができると思います。
- 今まで真珠屋さんに聞いてもまったく要領を得なかった疑問が氷解した。そもそもどんな処理をしているのか知らなかった。
- 真珠の加工についての現状を知れてよかった。小松先生のストレートなお話にびっくりした。
- 調色に踏み込んだ意見が多く、良かった。
- 前処理、漂白、調色などの実態。無調色が主流になっていること。
- 8段階の加工工程が明確になった。
- 調色=着色とわかりすっきりした。加工傷の有無が耐久性に影響を及ぼすという点。加工傷も処理によっては綺麗なものに変えられるという点。
- 正しい知識、正しい開示の必要性をあらためて考えさせられた。小松先生の本音トークがよかった。
- 赤色の染色だけを調色と呼ぶルール。ナチュラルホワイト、無調色と呼ばれる珠でも、加工過程の調色以外のことは全てやっている。黒蝶ピーコックグリーンは、反射の干渉。加工過程で一番重要なのは漂白。貝殻の外側はカルサイト、内側はアラゴナイトで形成される。加工傷(ヒビ、スポット、白濁)。アルコールに浸けることは一種の乾燥である。紫外線は真珠を構成するタンパク質を破壊する。
- 調色と無調色の二択がお客様の選択になれば、と思う。
- サンプルが多く、前処理→漂白→調色 などが分かり易く観察できた。