JGS宝石勉強会 テーマJ

こちらでは、JGS宝石勉強会 テーマJのご報告をさせていただいております。

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JGS宝石勉強会 テーマJ

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このJGS宝石勉強会では、「ガーネットの様々な種類について実習石を用いて深く掘り下げて行きましょう ~色の起源・ガーネットの種類全般・UVガーネット・デマントイド、カラーチェンジ~」というテーマで、JJA会館(東京都台東区、日本ジュエリー協会)の3階大会議室Aに於いて開催しました。講師には 23日は日独宝石研究所所長 古屋正貴氏(JGS監事)を、24日は中央宝石研究所リサーチルーム室長 北脇裕士博士をお迎えしました。

会場:
JJA 会館 3 階大会議室 A(日本ジュエリー協会)
日程:
2016年3月23日(水)・24日(木) 13:00〜16:00
進行:
テーマJ 
ガーネットの様々な種類について実習石を用いて深く掘り下げて行きましょう
 
13:00~13:05
開会の挨拶
 
13:05~13:35
講義
3/23 日独宝石研究所所長 古屋 正貴 氏
3/24 中央宝石研究所リサーチルーム室長
   北脇 裕士 博士
 
13:35~14:45
観察・クイズ
 
14:45~15:00
休憩・顕微鏡
 
15:00~16:00
回答・解説、意見交換、アンケート記入
 
16:00
閉会
 
 
レポートはJGS広報部、藤田理事によるものです。
 
ガーネットグループは余りに種類が多く、結晶系こそ等軸晶系を同じくしているが、その分類をする上で混乱するのはアルマンディン、パイロープ、スペサルティン、グロッシュラー、アンドラダイト、ウバロバイトの端成分が、天然では固溶体というかたちで溶け合って混和しているのである。そしてその混和の度合いは一定でないところから、色の特徴とその色から予測される成分の割合が一致しないものがいくらでもあるのである。ガーネットグループはそれぞれガーネットの名は持つが、それぞれが固有の特徴を持つので、止む無く個々に別の石として憶えてきた人は多いと思う。
 
まずはじめの講義では、ガーネットの種類全般を用意された相関図に沿って丁寧に追って行った。この相関図の上でそれぞれの種類を整理したことにより、やはりガーネットの種類同士には種族の関係があり、ガーネットはグループであると理解できたと思う。また、カラーチェンジやスターなどの変種や最近市場で多く見かけるようになったマラヤやマリなどの新種も相関図の上でその正体を理解できた。
 
一日目の講師、日独宝石研究所の古屋正貴所長(JGS監事)
そして、何と言ってもすばらしかったのはサンプル石の観察である。メジャーなものから変種や新種まで、コマーシャルクオリティーから希少な逸品まで集められており、中にははじめてお目にかかるものもあった。特に緑色のヒスイに類似したハイドログロッシャーのサンプルは今回参加しておられた翡翠原石館館長の靎見氏もその翡翠に極めて類似した外観に見入っておられた。UV ガーネットは紫外線を当てなければ何の特徴も見えないマニアックな石であったし、パイロープの燃えるような色があるかと思えば、ほとんどカラーレスのピンクのもの。美味しそうなマンダリン、まるで葡萄をイメージするような明るい紫色のロードライト。まさにコレクションと言いたいような逸品のデマントイドメレーのカラーバリエーションも見事であった。
 
 
今回のガーネット標本石
 
 
二日目(3月24日)もMCは山本理事が務めました。
講師は北脇博士です。
 
 
顕微鏡での観察(左)と北脇博士による質疑応答(右)
顕微鏡観察では宝石愛好家にもっとも人気のあるホーステールインクルージョンとヘソナイトの糖蜜状組織の写真で見るようなサンプルであった。
65 セット余りのサンプル(伊藤理事長が持ち込み、都合 79セット)を観察した後、それらの石当てクイズでは、解答とともにそれぞれの石の端成分のパーセンテージが紹介された。今回のサンプルに多かったアルマンディン、パイロープ、そしてロードライトは同じ端成分で構成されていて、その成分の割合が異なるだけで分類されているものである。そして、同じ種類のものでも個々にその構成される成分の割合が均一でない。
一つひとつのサンプルを解明しながら、ガーネットという石にこれまでより近づけた勉強会であった。
参加者から頂いたアンケート回答(PDFでご覧ください)

JGSでは、今後も様々なテーマで宝石シンポジウムや宝石勉強会を開催いたします。皆様のご参加をお待ちいたしております。