JGS Newsletter 031号（平成30年／2018年 8月10日配信）

JGSは、宝石の正しい知識と情報を社会に広く提供することにより宝石の素晴らしさを発信し、宝石のより良い事業環境を創造し、宝石の信頼向上を実現してゆくこと」を目標として活動しております。

親愛なるJGS会員の皆様。暑中お見舞い申し上げます。
平成30年7月豪雨被災者の皆様には心からお見舞い申し上げます。

　桑田真澄のカーブ以上に曲がった台風12号は気候にも想定外が起こってもおかしくない時代だと、私たちの目を覚ませたのではないでしょうか。その醒めた目を当業界に移すと何か見えるでしょうか？ 今月は世界ではバカンスが始まったからでしょうか、注目するトピックが大変少なかったです。しかしアメリカの行政機関Federal Trade Commission (FTC 日本でいう消費者庁) が24日（日本時間25日）に発表した新たなThe Jewelry Guide（ジュエリーガイド）には衝撃的な改訂が行われました。
===★　http://qq2q.biz/Lr5a
===★　http://qq2q.biz/Lr5f

　今までのダイヤモンドの定義は「”天然”ダイヤモンド」であったのですが、改訂版では「天然」が削除され（細かな説明には時間がかかるので端折りますが）「ダイアモンドは等軸的（イソメトリック）に炭素が結晶化したミネラル」と定義されました。CVDメーカーのDiamond Foundary社が相当働きかけたようです。今迄は地中からしかダイヤモンドは発見されなかったのですが、現在の技術を持ってすると自然界で組成されたダイヤモンドと同様の炭素による等軸的結晶(isometeric cystal system)が地上でも作れる為、ダイヤモンドの産出場所は”天然（地殻内）”だけとは限定できなくなったので、”天然”を削除したとの事です。しかし、同時に消費者の誤解の回避やその誤解につけ込む商法から消費者を守る為に、情報開示の強化は推奨されています。

　The Jewelry Guideは152ページに渡る書類のため読破には時間が必要ですが、ダイヤモンドのみならず、真珠の処理の情報開示や地金の金性にはじまりHand-made（手作り）の定義に渡り議論されており、大変興味深いものだと思います。

　日本の企業にとって興味深い点として、「真珠の処理情報開示」の項をあげます。Jewelers Vigilance Committee（ジュエラー自警団！？）と言う組織が発表した改訂版The Jewelry Guideの要約のリンクをご参照ください。
===★　 http://ur2.link/LreG

　三番目のChanges to Guidelines for Pearlsの項、(A) Treatment Disclosure（処理の情報開示）には「恒久的に変化が起こらない処理以外の処理の情報開示を求める」と書かれています。さて、アコヤの調色は恒久的？調色は処理？調色＝染色？などはアコヤの養殖産地として日本がリーダーとして線引きをするべきではないでしょうか？

　世界最大のジュエリー市場のアメリカの行政機関によるダイヤモンドの定義から”天然”が消えたからと言って母なる地球が生み出す宝石（ダイヤモンドを含む）が価値を失ってしまうものではなく、むしろ正直に、真面目に適切な情報開示をする業者が消費者から選ばれる時代に導かれている証ではないでしょうか。いよいよ自然の生み出す美しさと、人間だからこそ培ってきた技術と知識によって生み出される美しさを組み合わせた審美眼を備え持ったジュエラーが選ばれる時代に歩みを進めていることは間違いないことだと思います。

　DeBeersグループのLightbox発表のニュースに続き、新たな時代はすでに幕を開けていることを受け入れる夏です。

では、審美眼を養う為に今月の『注目トピック』をご覧ください。

注 目 ト ピ ッ ク ス

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Aesthetic（＝審美的）

Remarkable Topics

Aesthetic（アステティック＝審美的）
「なぜ宝石が必要か？」
「なぜ色が必要か？」
「なぜ色は喜びを表すのか？」
色の力を解く素晴らしいプレゼンテイションです！

レ　ポ　ー　ト

JGS宝石勉強会 in 夏の大阪 2018

去る７月１８日（水）、大阪にて 「翡翠を化学式から見る」…色々なヒスイと呼ばれる宝石達　をテーマに JGS宝石勉強会が開催されました。 JGS会員の吉本美佐子様が遠方より受講され、更に、レポートしてくださいました。 誠にありがとうございました。

オ　ス　ス　メ

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◇◇ Gem-A 2018秋の特別セミナー・プログラム

SEMINAR

Gem-Aの会員、卒業生、受講生、そして宝石やジュエリーについてご興味をお持ちの方を対象とした秋の特別セミナーを開催いたします。プロフェッショナルに必要な「今」の情報を得るブラッシュ・アップに、宝石のなぜ？どうして？を知る学びのきっかけに、是非ご参加ください。 　

【日時】2018年9月1日（土）
　セミナー 13：30－18：30
　懇 親 会 19：00－21：30
【場所】コンベションルーム AP秋葉原

◇◇ 事業主の会員様へ

INFORMATION

JGS会員、株式会社ライム商会 夢仕立工房 依田宇弘様より、貴重な情報をいただきました。

厚生労働省による「人材開発支援助成金」(特定訓練コース・一般訓練コース)とは、雇用する労働者のキャリア形成を効果的に促進するため、職務に関連した専門的な知識及び技能の普及に対して助成する制度です。諸条件を満たせば、Gem-A宝石学、ファンデーションコース・ディプロマコース受講料が実質30〜45％OFFになります。

ご興味がおありの方：
JGS事務局へご連絡ください。

ショーメ (CHAUMET)

EVENT

★フランスのハイジュエリーブランド、ショーメ(CHAUMET)の軌跡を辿る「ショーメ 時空を超える宝飾芸術の世界」展が、東京三菱一号館美術館にて開催中。

・会期：2018年6月28日（木）～9月17日（月・祝）
・主催：三菱一号館美術館、ショーメ
・お問い合わせ：03-5777-8600（ハローダイヤル）　

公式HP »　

宝石の国（フォッサマグナミュージアム特別展）

EVENT

★講談社アフタヌーン誌掲載の大人気漫画「宝石の国」とコラボレーションし、美しくて魅力的な宝石たちを紹介します。

期　間：2018年9月8日(土曜日)～10月28日(日曜日)
会　場：フォッサマグナミュージアム
　　　　ふるさと展示室・研修室
主催者：新潟県糸魚川地域振興局、
　　　　フォッサマグナミュージアム　

公式HP »　

2018年度 JGS宝石勉強会・シンポジウム

SEMINAR

★年間の開催予定を発表しました

▼ 2018/9/26(水)　勉強会
　　　於:オーラムビル2F（台東区東上野）
　翡翠を化学式から見る・・・色々な『ヒスイ』と呼ばれる宝石達
　新・ご案内はこちら
　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
▼ 2018/10/17(水)　勉強会
　　　於:オーラムビル2F（台東区東上野）
　水晶の世界 ―天然と人工、その生い立ちー
　ご案内はこちら
　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
▼ 2018/11/21(水)　シンポジウム in 東京
　　　於:オーラムビル2F（台東区東上野）
　『宝石の国』に見るレアストーンの魅力
　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
▼ 2019/01/15(火)　シンポジウム in 大阪
　　　於:住友クラブ（大阪市西区）
　『宝石の国』に見るレアストーンの魅力
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▼ 2019/02/20(水)　勉強会
　　　於:※変更アリ（台東区、未定）
　オパールマスターセットに観る世界のオパール
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名 言・格 言

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知性とは、変化に適応できる能力だ。
Intelligence is the ability to adapt to change.

自らの行動の価値を最大化するため努力すべき。
We should seek the greatest value of our action.

スティーヴン・ウィリアム・ホーキング

私 の 本 棚

「国石翡翠」

私の本棚

著　者： 宮島　宏
発　行：フォッサマグナミュージアム
　　 糸魚川市教育委員会事務局文化振興課博物館
発行日： 2018年3月14日
定　価：2,000円
サイズ：A4判　　180ページ

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今 月 の 写 真

コーベライト

［Covelite Inclusions］
・和名： 銅藍

・撮影・文：木下 善志生 氏（JGS会員）

今回は、編集『前』記、です。

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