2015年はマダガスカルの公式統計でUS$16,000,000の輸出額となり、長年現地調査を行なったジェモロジストのヴィンセント・パーデュー氏によると2016年には50ct以上のサファイア100個以上が発見されたとのことです。これが昨年からのマダガスカルでのサファイアラッシュに注目が注がれた始まりと言っても過言ではないでしょう。サファイアラッシュに注目が注がれると、自ずと環境保全の観点から鉱山開発に対して反感的な意見が出ます。CNNは総じて現実的にレポートをしており、鉱山開発に反感的な意見を持つ国際環境保全のようなNGO団体とは一線を画している様子です。
← CNNの報道
↑ NGO団体国際環境保全(Conservation International)の報告
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3月29日バーゼルショー開催中にSSEF(スイス宝石学会)から、カシミール産サファイアとして5ctから50ctまでのサイズのマダガスカル産サファイアが流通している注意喚起文書が発表されました。SSEFに持ち込まれたサファイアにはカシミール産と表記されたラボ・レポート(鑑別書)が発行されていたそうです。発行元の鑑別機関は発表されていません。色合いと石の雰囲気はカシミール産に似ているそうですが、顕微鏡観察と化学検査(ラマン・UV・W-ray・GemTOF検査等)の結果からマダガスカルのビメインティ鉱山産のサファイアと判断されました。
検査結果と検査詳細は下からお読みください。
もちろん環境破壊は最小限にとどめる努力は必要であり、殺人事件を含める犯罪も取り締まるべきです。しかし、産業に乏しい国や地域にとって宝石を含める天然資源の採取は地域経済の活性化には不可欠であり、正しい産業発展に導くマーケッティングが必要不可欠であると思います。つまり川上で起こっている問題解決には川下が協力を惜しまないことではないでしょうか?川下に行けば行くほど、宝石の価値判断をオリジンでしてしまいがちな傾向「オリジン・シンドローム」(カシミールと聞くと良く見えてしまう性質)を是正するところから視線を逸らしてはいけないのでしょう。なぜオリジンが重要か?自然への、地球への敬意と愛情がオリジンを含めた宝石の価値を高めるエッセンスです。そのエッセンスを高めるために、ちょっと一息。こちらをご覧ください。→
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