編集後記
注目トピックに掲載した、2016年にアメリカで吸収合併、倒産または廃業した企業数が1,669社に上ったというニュースは対岸の火事ではないと思います。2016年のアメリカ合衆国の人口は約3億2千万人、ダウ平均株価指数はUS$3,000以上伸び、失業率は約4.9%、にもかかわらず1,669社が業界から姿を消しました。はたして日本は?と思い、僅かながら入手可能な数値を拾い出してみました。日本の人口は1億2千万人を切り、目に見える人口減少の歯止めは未だに存在しない様子です。将来の主たる消費者である価値観の異なる世代ミレニアルズが消費市場に現れ、プラチナ世代(高齢者)による消費への期待もどうやら曲がり角に差し掛かったように思えます。
消費の傾向は一体どのような変化を来たしながら存続しなくてはならないのでしょうか?ダイアモンドではデビアス、アルロサまでも、モザンビークをはじめアフリカ産のルビーやエメラルドのジェムフィールド、そしてコロンビアンエメラルドのムゾーなどの鉱山会社が小売市場にまでブランドとして侵入する直通時代です。「市場の変化」というよりは「需要または供給者への期待の多様化」の速度は衰えず、昨日まで間違いではなかった販売手法(企画)が空振りしてしまう様な感覚を覚えます。期待=ストライクゾーンとすると、投球直後にかかわらずバッター(消費者)の身長が縮みストライクがビーンボールになってしまう?!そのような感覚でしょうか。歴史と経験の上に成り立つ日本ジュエラーの文化が生存要因として、ジュエリーの品質や宝石の希少価値以上に求めらる時代に突入したように思えます。文化という言葉は聞こえが良すぎであれば、資質と品格と言い換えても過言ではないのでしょうか。今までの常識だけに頼ってはいられないと思います。私は故郷甲府の生産高が273億円(経産省発表)という数値を見て驚き、長年言われていた「日本のジュエリーの1/3の生産地」という常識を封印することにしました。
皆さんはどの様にお感じになられましたか?フリートークで結構です。みなまさのご意見を事務局までお送りください。(Eメール:info@japangemsociety.org ・FAX番号:03-5812-4786)多くの頂いたご意見の中から1名の方に、私、堀内オススメ「山梨」ワインをプレゼントいたします。お気軽にドシドシご応募ください。 ☆★ シャトー・メルシャン 甲州グリ・ド・グリ 2015(白・辛口)☆★
(注)日本で初めて地理的産地表示が認められているのは「山梨」「Yamanashi」です。産地(Origin)は当業界でも大変重要な論点であるので、あえて日本で唯一産地表示可能な「山梨ワイン」を選びました。本当に産地表示に価値はあるのか!?
一般社団法人 日本宝石協会 理事兼広報部長:堀内信之
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